UNEMPLOYED ECONOMICS

失業中で暇な人が経済学を学んでいくブログです。

国の一般会計税収(1989~2019年度)

いまだにネット上には、「消費税を増税すると、経済が悪くなって税収が減る!」などと主張している人たちがいるのですね(呆)

 

実際のところどうなのかは、国の一般会計税収をグラフにしてみれば一目瞭然です。

以前にも「国の一般会計税収(1989~2015年度)」という記事でグラフにしているのですが、最新の2019年度まで拡大してグラフを再作成してみました。

 

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出典:国税庁国税庁統計年報」、財務省租税及び印紙収入決算額調

 

国の一般会計決算を基にした、租税及び印紙収入と所得税収・消費税収・法人税収の推移です。

財務省ホームページにはなぜか2016年度以降のデータしか掲載されていませんので、それ以前の分は、国立国会図書館インターネット資料収集保存事業と国税庁ホームページのデータを基にしています。

 

皆さんご存じの通り、2014年度から消費税は8%に増税されましたが、はたして税収は減っているでしょうか?

消費税収が10.8兆円(2013年度)→18.4兆円(2019年度)に増えているのは当たり前として、所得税収も15.5兆円(2013年度)→19.2兆円(2019年度)に、法人税収も10.5兆円(2013年度)→10.8兆円(2019年度)に増加し、租税及び印紙収入は47.0兆円(2013年度)→58.4兆円(2019年度)へと大幅増になりました。

「消費税を増税すると、経済が悪くなって税収が減る!」というのは、真っ赤なウソであることが分かりますね。

 

1990~2000年代については確かに税収が長期的に減少しているようですが、これは所得税法人税を減税したことによるものです。

このあたりは、「国の一般会計税収(1989~2015年度)」の記事にまとめていますので、そちらをご覧ください。

 

unemployed-economics.hatenablog.jp

 

2014年度からの消費税増税は、2012年に民主党政権下で取り決められた、民主党自由民主党公明党による「三党合意」に基づいて行われました。

自由民主党政権下での消費税増税では、所得税法人税減税がセットで行われていましたが、三党合意では所得税最高税率引き上げなども協議されていたんですよね。

当時の報道では、民主党最高税率を40→45%に引き上げ、自民党が引き上げに反対、公明党が40→50%に引き上げを主張していたと思います。

結局は、2015年から最高税率が45%に引き上げられ、全く不十分ながらも累進課税の強化が行われることになりました。

自民党政権下では、1999年に最高税率が37%にまで引き下げられていたのですから、長期的な日本経済の停滞も相まって、所得税収が減少してしまっていたのですね。

 

私たちが経済や経済学について学ばなければならないのは、経済について平気でウソをつく人たちがおり、そのような人たちに騙されないようにする必要があるからです。

本格的に経済学について勉強しなかったとしても、データを調べればあっさりウソだとわかるケースがほとんどです。

ネット上には、経済についてのいろいろな考え方が飛び交っていますが、それがどんなにわかりやすいものだったとしても、「それって、本当かな?」と立ち止まって考えてみることも大切なのではないかと思います。

 

経済学を学ぶ目的は、経済問題に対する出来合いの対処法を得るためではなく、そのようなものを受け売りして経済を語る者にだまされないようにするためである。

(ジョーン・ロビンソン(Joan Violet Robinson, 1903-1983))