UNEMPLOYED ECONOMICS

失業中で暇な人が経済学を学んでいくブログです。

放送大学『現代経済学('19)』第10~11回

録画しておいた放送大学『現代経済学('19)』の第10~11回を視聴しました。

 

第10回で取り上げられたノーベル経済学賞受賞者は、グンナー・ミュルダール(Karl Gunnar Myrdal, 1898-1987)、フリードリヒ・ハイエク(Friedrich August von Hayek, 1899-1992)、アマルティア・セン(Amartya Sen, 1933-)で、三人とも「社会経済学」の分野で功績のあった経済学者です。

 

ミュルダールは「累積的因果関係論」と呼ばれる分析手法を用いて、制度経済分析を行いました。

累積的因果関係論は、現代のシステム理論では「ポジティブ・フィードバック」と呼ばれています。

ハイエクは、1944年の『隷属への道(隷従への道、The Road to Serfdom)』であまりにも有名ですね。

本来はミュルダールの単独受賞の予定だったようですが、社会主義的なミュルダールとバランスを取る形で自由主義的なハイエクとの同時受賞となったようです。

センは、アジア人初のノーベル経済学賞受賞者です。

センの「潜在能力(ケイパビリティ、capability)」の発揮という観点から作られたのが、国際連合開発計画(United Nations Development Programme:UNDP)の「人間開発指数(Human Development Index:HDI)」です。

ちなみに、2017年の上位10ヵ国は、ノルウェー、スイス、オーストラリア、アイルランド、ドイツ、アイスランド、香港、スウェーデンシンガポール、オランダで、日本は第19位となっています。

 

第11回で取り上げられたノーベル経済学賞受賞者は、ダグラス・ノース(Douglass Cecil North, 1920-2015)、トーマス・シェリング(Thomas Crombie Schelling, 1921-2016)、アンガス・ディートン(Angus Stewart Deaton, 1945-)で、三人とも経済学を歴史学政治学といった隣接領域にまで拡大した経済学者です。

 

ノースは「計量経済史(数量経済史、cliometrics)」と呼ばれる、統計学や経済理論を応用して経済史を研究するという学問分野を確立しました。

シェリングゲーム理論政治学に応用し、1963年の『紛争の戦略(The Strategy of Conflict)』で有名です。

ディートンは、2013年の『大脱出:健康、お金、格差の起原(The Great Escape: Health, Wealth, and the Origins of Inequality)』で知られています。

 

第10~11回で取り上げられた経済学者のうち、最重要人物はやはりハイエクでしょうか。

新自由主義ネオリベラリズム、neoliberalism)やリバタリアニズム自由至上主義、libertarianism)といった思想の源流となっている人物であり、ジョン・メイナード・ケインズJohn Maynard Keynes, 1883-1946)とは激しい論争を繰り広げました。

以前に「イデオロギーをブッ飛ばせ!!」の記事で書いたとおり、私は共産主義(communism)、国家社会主義(national socialism)、国家資本主義(state capitalism)は全体主義だと考えています。

 

unemployed-economics.hatenablog.jp

 

しかし、個人主義を追求して新自由主義リバタリアニズムを推し進めていくと、共同体が破壊され、国民の連帯が失われ、結局は全体主義を招き寄せてしまうのではないかと危惧しています。

自由を追い求めていたはずが、結局は自由を失ってしまうという「自由至上主義パラドックス」みたいなものが存在するのではないでしょうか。

「自由であれば、平等でなくてもよい」とか「平等であれば、自由でなくてもよい」といった極端な考え方を持つ人はあまり多くないでしょうから、自由と平等のバランスをとった社会が良いのではないかと思います。

そのような考えから、私は新自由主義政党と社会自由主義政党+社会民主主義政党の二大勢力が適度に政権交代を繰り返すような政治状況が望ましいと思っています。