UNEMPLOYED ECONOMICS

失業中で暇な人が経済学を学んでいくブログです。

BS-TBS『報道1930』「日本はいくら借金しても大丈夫!? ”異端”の「MMT」とは」

録画しておいたBS-TBS『報道1930』「日本はいくら借金しても大丈夫!? ”異端”の「MMT」とは」を視聴しました。

 

ゲストは、自由民主党西田昌司(にしだ・しょうじ)参議院議員朝日新聞の原真人(はら・まこと)編集委員でした。

最近話題になっているMMT(現代貨幣理論、Modern Monetary Theory)についての特集だったのですが、どんな理論も西田議員が説明すると嘘くさく聞こえてしまうのは私だけでしょうか(汗)

なにしろ西田議員は、「子ども手当」政策について『究極の借金つけ回し』と主張していたくらいなのですから・・・。

 

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MMTに基づいて考えれば、少子化対策のような重要政策は、財源など気にせずに思い切って実行すべきだったということになりますよね?

「いつの間にか、言っていることが180度変わっている」みたいな人は、そりゃ信用されないでしょ。

自民党の安藤裕(あんどう・ひろし)衆議院議員が開催している勉強会の映像では、経済評論家の三橋貴明(みつはし・たかあき)さんが講師を務めていて、うさん臭さ倍増です(汗)

私はMMTには肯定的なのですが、どうして「この人どうなんだろう?」と思う人ばかりがMMTを広めているのか、ちょっと疑問です。

 

それはさておき、番組ではMMTを「いくら借金(国債発行)してもよい」という理論だと紹介していました。

これは、正しくは「インフレにならない限り、いくら借金(国債発行)してもよい」という理論ですよね。

ここをしっかり押さえておかないと、誰だって「そんなうまい話があるわけないだろ!」ってことになってしまいます。

 

MMTに対する疑問として、「財政破綻」「円暴落」「激しいインフレ」の三つが挙げられていましたが、やはり懸念されるのは激しいインフレですよね。

私は、MMTの問題点はインフレに集約されるのではないかと思っています。

政府がどんどん財政出動していけば、いつかはインフレになるでしょう。

このとき、うまくインフレを制御できるのか、制御不能なインフレにならないのかというところが、もっとも懸念されるところだろうと思います。

この点に対して、西田議員は「ならないんです!」と言うばかりで、具体的に「インフレを防ぐ手段として、このような仕組みを用意します」といった説明をまったくしないので、怪しさばかりが募ってしまっているように感じました。

MMTではJGP(雇用保証ブログラム、Job Guarantee Program)を提唱していて、これがインフレを防ぐビルトイン・スタビライザーとして働きます」のような説明であれば、納得する人も増えるのではないでしょうか。

 

私は、MMTの貨幣システムに対する考え方は正しいような気がしますが、そこから「政府の国債発行は打ち出の小づち」みたいな結論を導き出すと、おかしなことになってしまうのではないかと思っています。

ちょっと考えると「打ち出の小づち」のようにも思えますが、実際には「インフレ税」で返済するというだけのことかもしれません。

確かに、政府が国債を発行して市中銀行が引き受け、政府が財政支出することで民間の金融資産を増加させることができますが、貨幣需要がないところにむりやり貨幣を供給しても、貯め込まれて貨幣流通速度が低下するだけのように思います。

 

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日本の場合、貨幣量が不足しているわけではないのだから、やはり所得再分配(富の再分配)を強化して、お金がぐるぐる回るようにしてやることが大事なのではないでしょうか?

所得税最高税率引き上げや金融所得課税の強化など、高所得層に課税するというのが本筋なのではないかと思います。

MMTが言っているのは、「徴税が先、財政支出が後」じゃなくて、「財政支出が先、徴税が後」でまったく問題がないということだろうと思います。

ここで気を付けなければならないのは、MMTは「徴税しなくていい」という理論ではないということです。

たまに「MMTで無税国家が可能だ!」みたいなことを言っている人がいますが、そんな話ではなく、これはもっと現実的な理論であると思います。

 

これからも、いろいろな報道番組でMMTが取り上げられるんでしょうね。

今はまだ、議論がとっ散らかっている状態だと思いますが、私も少しずつ理解を深めていきたいと思っています。