UNEMPLOYED ECONOMICS

失業中で暇な人が経済学を学んでいくブログです。

放送大学『現代経済学('19)』第1回

録画しておいた放送大学『現代経済学('19)』の第1回「ノーベル経済学賞の誕生」を視聴しました。

 

主任講師は依田高典(いだ・たかのり)京都大学大学院経済学研究科教授で、主にノーベル経済学賞受賞者の研究業績を解説していく授業のようです。

ノーベル賞には、物理学賞、化学賞、生理学・医学賞、文学賞、平和賞、経済学賞の6部門があるわけですが、経済学賞についてはアルフレッド・ノーベル(Alfred Bernhard Nobel, 1833-1896)の遺言によるものではなく、1968年にスウェーデン国立銀行設立300周年を記念して設立された賞です。

ですから、正式には「アルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン国立銀行賞」という賞なのですが、実際的にはノーベル賞の一部門と認識されているわけですね。

 

一般的には、ノーベル経済学賞は「すごい経済学者に与えられる賞」くらいの認識だと思うのですが、実は政治学社会学、心理学、歴史学といった隣接する社会科学を含んでいる賞なのだそうです。

まず今年の受賞分野(例えば「金融工学」など)が決められて、次にその分野で受賞するに値する受賞者が決められるという仕組みになっているそうで、なんだか私たちがノーベル経済学賞に抱いているイメージとはちょっと違うみたいですね。

 

今回の授業で取り上げられたのは、第1回受賞者のラグナル・フリッシュ(Ragnar Anton Kittil Frisch, 1895-1973)と第2回受賞者のポール・サミュエルソン(Paul Anthony Samuelson, 1915-2009)です。

フリッシュは知りませんでしたが、「macroeconomics(マクロ経済学)」「econometrics(計量経済学)」といった用語を生み出した人なんですね。

サミュエルソンは1948年の『経済学(Economics: An Introductory Analysis)』などで知られ、不完全雇用下ではケインズ経済学、完全雇用下では新古典派経済学の有効性を認める「新古典派総合(neoclassical synthesis)」という考え方を主張した経済学者です。

私も今のところ、新古典派総合みたいな枠組みで考えているわけですが、この考え方は1970年代に否定されていくということになるわけですね。

 

ノーベル経済学賞については、政治的に偏向しているのではないかという批判がずっとあって、ジョーン・ロビンソン(Joan Violet Robinson, 1903-1983)やジョン・ケネス・ガルブレイス(John Kenneth Galbraith, 1908-2006)といった経済学者が受賞していないのは、やっぱり「左派だから?」と思わざるを得ないですよね。

ノーベル経済学賞受賞者といえども専門分野は様々なのですから、なにより一番マズいのは「ノーベル経済学賞受賞者が言っていることだから、正しいに違いない」と考えてしまうことだろうと思います。

 

この講義では、経済学者の生い立ちや研究業績の現代的意義について解説されるので、現代の経済学に興味を持っている人にはピッタリの番組だと思います。

しかし残念なのは、依田教授がひたすら原稿を棒読みしており、聴いていて眠くなってしまうということです・・・(汗)

せっかくの面白い内容なので、ヘタクソでもいいから自分の言葉で語ってほしいところですね。