UNEMPLOYED ECONOMICS

失業中で暇な人が経済学を学んでいくブログです。

先進国の一人当たり実質GDP(購買力平価ベース・2016年)

前回の記事では一人当たり実質GDPについて言及しているので、補足のために先進国の一人当たり実質GDPをグラフにしておきたいと思います。

 

・・・というわけで、国際通貨基金International Monetary FundIMF)ホームページで先進国の一人当たり実質GDP購買力平価ベース)を調べてみました。

 

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出典:国際通貨基金世界経済見通し(World Economic Outlook)

 

IMFの「世界経済見通し(World Economic Outlook)」のデータにより、先進国の一人当たり実質GDPをグラフにしてみました。

「先進国」は、経済協力開発機構(Organisation for Economic Co-operation and Development:OECD)加盟36ヵ国としました。

今回は、36ヵ国すべてのデータが揃っていた2016年の数値をグラフにしました。

各国それぞれ通貨単位が異なっていますので、比較するために「購買力平価(purchasing power parity:PPP)」の概念を用いて、「国際ドル(international dollar)」に変換されています。

購買力平価を算出するために「国際比較プログラム(International Comparison Program:ICP)」という国際的事業が行われており、今回のデータは2011年基準の国際ドルで表示されています。

 

日本の一人当たり実質GDPは約3.8万ドルであり、OECD加盟国の中では第18位、先進国首脳会議参加国(いわゆる「G7」)の中では第6位であることがわかります。

「日本は世界第3位の経済大国」と言っているのは、あくまでも国全体の名目GDPのランキングであって、日本の人口は世界第10位なので、国全体の名目GDPも大きくなっているということですね。

ルクセンブルクがむちゃくちゃ飛び抜けていますが、これは人口60万人に満たない小国で、税金を安くすることで外国資本を誘致している「タックスヘイブン租税回避地、tax haven)」であるからです。

多くのグローバル企業がルクセンブルクにヨーロッパ本社を置いているので、一人当たり実質GDPも飛び抜けて高くなっているというわけですね。

 

日本がルクセンブルクの真似をできるわけではないので、注目すべきはノルウェーアイスランドスウェーデンデンマークフィンランドといった北欧諸国でしょうか。

これらの国々は「高負担・高福祉」政策を行っているので税金がとても高いですが、一人当たり実質GDPは日本よりも高く、国際連合の「世界幸福度報告書(world happiness report)」の2018年版を見てみると、世界幸福度ランキング第1位はフィンランド、第2位はノルウェー、第3位はデンマーク、第4位はアイスランド、第9位はスウェーデンとなっています。

上位4位までを北欧諸国が占めており、アメリカは第18位、日本は第54位であることを考えると、これからの日本が学ぶべきなのは、アメリカではなくて北欧諸国なのではないでしょうか。

 

ノルウェーではノルウェー労働党アイスランドでは社会民主同盟スウェーデンではスウェーデン社会民主労働党デンマークでは社会民主党フィンランドではフィンランド社会民主党と、北欧諸国では社会民主主義政党が非常に強く、政権を担うことが多かったという特徴があります。

やはり新自由主義だけでは駄目で、対抗する勢力として社会自由主義社会民主主義を掲げる政党がそれなりの規模で存在し、低負担・低福祉の「小さな政府(limited government)」を目指すか、高負担・高福祉の「大きな政府(big government)」を目指すかを巡って選挙で競い合うという状態が、政治体制としては健全なのではないでしょうか。

日本では圧倒的に新自由主義が支持されているようですが、新自由主義が必ずしも国民の幸福につながるとは限らないので、新自由主義社会自由主義社会民主主義との間できちんとバランスを取ったほうがよいのではないかと思います。

 

※注:2019年3月11日にAmebaブログにて投稿した記事を転載しています。