UNEMPLOYED ECONOMICS

失業中で暇な人が経済学を学んでいくブログです。

『マンキュー経済学Ⅱ マクロ編(第3版)』第7章読了

『マンキュー経済学Ⅱ マクロ編(第3版)』(N・グレゴリー・マンキュー著、東洋経済新報社)の第7章「生産と成長」を読み終わったので、内容を軽くまとめておきたいと思います。

 

 

世界には豊かな国もあれば貧しい国もあり、国によって生活水準には大きな差があります。

一人当たり実質GDPが高い国では生活水準も高く、一人当たり実質GDPが低い国では生活水準も低くなっており、より高い生活水準を享受するためには、「生産性(productivity)」を向上させることで一人当たり実質GDPを上昇させる必要があります。

生産性を決定する要因には、「物的資本(physical capital)」「人的資本(human capital)」「天然資源(natural resources)」「技術知識(technological knowledge)」などがあります。

 

国民の生活水準を高めるためには経済成長する必要があり、経済成長するためには生産性を向上させなければならないということですね。

残念ながら、わが国は天然資源に恵まれていないので、物的・人的資本に投資したり、技術知識を蓄積していくことが必要です。

私は、この中でも特に人的資本への投資が重要なのではないかと思います。

これからも経済成長していくためには、後期中等教育の義務教育化(=高校義務教育化)、高等教育については給付型奨学金の拡充などを行い、誰もが高度な教育を受けられるシステムにしたほうがよいのではないでしょうか。

 

そして、おそらく学校教育以上に大切なのが、職場で実務を行うことによる職業教育なのだろうと思います。

かつての日本企業では、基本的に正社員として採用し、OJT(On-the-Job Training)を行って人材を育てるということが広く行われていました。

「経営の神様」と呼ばれる松下電器産業(現・パナソニック)創業者の松下幸之助(まつした・こうのすけ)は、次のように言っていたそうです。

 

松下電器は何をつくるところかと尋ねられたら、松下電器は人をつくるところです。併せて電気器具もつくっております。こうお答えしなさい。

 

ところが、1990年代以降の日本企業は、正社員を非正規労働者に置き換えることで、人件費を減らして利益を上げるということを行いました。

このようなことをすれば、短期的には利益が上がったとしても、長期的には人材が不足して苦境に陥るということになるのではないかと思います。

日本全体で見ても、高い職業能力を身に着けることができない人が大量に生まれてしまうので、結局は国力が衰退していくということになるのではないでしょうか。

1990年代以降の日本経済が低迷しているのは、このようなところにも原因があるのではないかと思います。

 

これは2000年代のことなのですが、リストラを自慢している女性社長の記事が日本経済新聞に掲載されていて、とても驚いた記憶があります。

その記事には・・・経営が傾いた企業の社長に就任し、大幅なリストラを実施した。

「あなたに一生ついていきます」などと言うやつは、真っ先に首を切った・・・といったことが書いてありました。

本来のリストラは、「リストラクチュアリング(restructuring)」の略で事業の再構築を意味しているのですが、日本の場合は人員削減(=解雇)を意味するようになってしまいました。

とにかく人件費を削減して利益を増加させた人が、優れた経営者であるとされたのですね。

当時の日経新聞には、渡辺淳一(わたなべ・じゅんいち)の小説『愛の流刑地』が連載されていたり、坂東眞砂子(ばんどう・まさこ)の「猫に避妊手術をせず、子猫が生まれたら崖から投げ落として殺している」という内容のエッセイが掲載されていたりしました(汗)

いくら経済に興味があるといっても、このような新聞を購読する意味はあるだろうかと疑問に思うようになり、日経新聞を読むのはやめてしまいました(笑)

 

結局のところ、日本には「人間」しか資源がないので、人をいかに生かしていくかを考えるしかないのだろうと思います。

労働者を「使い捨て」のような形で用いると、人的資本の蓄積がなされないので、結局は経済が発展していかない。

日本人は目先の利益を追い求めることで、実は自分で自分の首を絞めているのではないでしょうか。

 

※注:2019年3月6日にAmebaブログにて投稿した記事を転載しています。