UNEMPLOYED ECONOMICS

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『マンキュー経済学Ⅱ マクロ編(第3版)』第Ⅱ部読了

『マンキュー経済学Ⅱ マクロ編(第3版)』(N・グレゴリー・マンキュー著、東洋経済新報社)の第Ⅱ部「マクロ経済学のデータ」を読み終わったので、内容を軽くまとめておきたいと思います。

 

 

ここで解説されているのは、主に「国内総生産(gross domestic product:GDP)」と「消費者物価指数(consumer price index:CPI)」についてです。

 

GDP(yield:Y)は、消費(consumption:C)・投資(investment:I)・政府支出(government purchases:G)・純輸出(net exports:NX)の四つの構成要素に分けられます。

ですから・・・

 

Y=C+I+G+NX

 

・・・という恒等式が成り立ちます。

これは「恒等式」なので、この式を基にして「政府支出を増やせば、GDPが増える!」と言うことはできません。

もちろん、政府支出が増えることはGDPが増える要因であることは間違いありませんが、実際にGDPが増えるかどうかは他の要素次第です。

ですから、政府支出の増加が他の要素に与える影響も考慮に入れる必要があり、この恒等式からだけでは「経済成長するためには、政府支出を増やせばいい!」とは言えないということがわかります。

 

一定期間において生産された財・サービスを、その期の価格で評価したものが「名目GDP(nominal GDP)」で、基準年の価格で評価したものが「実質GDP(real GDP)」です。

内閣府の「国民経済計算(GDP統計)」では、基準年のことを「参照年」と呼んでおり、現在の統計は参照年が2011年となっています。

つまり、2019年の実質GDPというのは、「2019年の名目GDPを2011年の価格で表したもの」ということになるわけですね。

価格を基準年に固定しておけば、名目GDPから価格変動の影響を取り除くことができるので、経済が実際にどのくらい成長したのかを知ることができます。

ですから、ただ単に「経済成長率」と言うときには、普通は「実質経済成長率(実質GDPの対前年増加率)」を指すことが多いです。

 

私も経済について勉強し始めるまでは「名目? 実質??」という感じだったのですが、今では「GDP」や「経済成長率」と書いてあると、「それって、名目のこと? それとも、実質のこと??」と必ずチェックするようになりました。

名目のことを言っているのか、実質のことを言っているのかで話は大きく変わってくるので、きちんと両者を使い分けることが必要なのですね。

名目値と実質値の違いについて正しく理解していない経済評論家や経済ブロガーは、そもそもスタートの時点で言っていることがおかしいわけですから、その主張がどんなにわかりやすくて正しそうに思えたとしても、真に受けて信じ込むというのはかなり危険なことなのではないかと思います。

 

名目GDPと実質GDPから、「GDPデフレーターGDP deflator)」を算出することができます。

GDPデフレーターは・・・

 

GDPデフレーター=名目GDP/実質GDP×100

 

・・・という計算式で求めることができます。

GDPデフレーターを使って、実質GDPを算出してるんじゃないの?」と思うかもしれませんが、内閣府国民経済計算の作成方法』という資料を読むと、商品分類ごとに「基本単位デフレーター」を使って実質値を算出し、それらを集計することによって実質GDPを推計しているようです。

GDPデフレーターは名目GDPを実質GDPで除することによって事後的(インプリシット)に推計する。』と書かれているので、やはり名目GDPと実質GDPからGDPデフレーターを算出しているようですね。

 

GDPデフレーターは基準年の物価水準に対する今期の物価水準を表しているので、これを用いて「インフレ率(inflation rate)」を計算することができます。

連続する2年の間のインフレ率は・・・

 

第2年のインフレ率=((第2年のGDPデフレーター)ー(第1年のGDPデフレーター))/第1年のGDPデフレーター×100

 

・・・で計算できます。

GDPデフレーターの代わりに消費者物価指数を用いてインフレ率を計算することもできるので、ただ単に「インフレ率」と言うときには、普通は「消費者物価指数の対前年上昇率」を指すことが多いです。

名目値・実質値と同じように、GDPデフレーター消費者物価指数もきちんと使い分けることが大切だということですね!

 

※注:2019年2月10日にAmebaブログにて投稿した記事を転載しています。