UNEMPLOYED ECONOMICS

失業中で暇な人が経済学を学んでいくブログです。

日本の男性の年収別未婚率(2017年)

先日、「日本のコアCPI上昇率とジニ係数(1972~2014年)」という過去記事をはてなブログに移転したのですが、記事で年収と未婚率について言及しているので、補足のために男性の年収別未婚率をグラフにしておくことにしました。

 

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・・・というわけで、総務省統計局ホームページで日本の男性の年収別未婚率を調べてみました。

 

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出典:総務省統計局「平成29年就業構造基本調査

 

総務省統計局の「就業構造基本調査」は、調査対象を日本国籍を持つ者に限定しているわけではないので、この記事では「日本人男性」ではなく「日本の男性」と表現しています。

「年収」というのは、過去1年間に本業から得た通常の所得(税込み)です。

「生涯未婚率」というのは、50歳時点で一度も結婚したことがない人の割合です。

就業構造基本調査のデータでは年齢が5歳刻みになっているので、45~49歳と50~54歳の未婚率を平均することにより、簡易的に生涯未婚率を求めています。

 

結果は見ての通り、生涯未婚率はきれいな右肩下がりのグラフとなっており、年収が高ければ高いほど結婚できる可能性も高いことがわかります。

少子化対策ということを考えると、できれば20代に、遅くとも30代には結婚してほしいところですが、年収300万円未満だと大半の男性は結婚できないという現実が見えてきます。

 

年収の高い男性と結婚することで、楽な生活がしたい、ぜいたくな暮らしがしたいという女性ももちろん多いとは思いますが、やはり女性が考えるのは子どものことなのではないでしょうか。

結婚して子どもができたとして、子育てそのものにお金がかかるのはもちろんのことですが、大きいのは教育費なのではないかと思います。

最低でも高校は出さなければ、できれば大学にも行かせたい、そのために塾にも通わせたいし、勉強だけでなくスポーツや習い事もさせたい・・・となると、年収300万円未満ではちょっと無理ということになるでしょう。

しかし、20代男性のうち「無業者+年収300万円未満」が占める割合は66.1%、30代男性のうち「無業者+年収300万円未満」が占める割合は30.9%となっています。

もちろん、20代男性には大学生もいますし、正社員でこれから年収が上がっていく人もいるでしょうが、30代男性でも3割は年収300万円未満ということになります。

「日本の15~49歳女性の有配偶率と有配偶出生率(1950~2010年)」の記事で確認した通り、1990年調査を底にして有配偶出生率は下げ止まっています。

ということは、本当に少子化を止めたいのであれば、「経済的な理由で結婚できない人」を減らしていくことが重要なのではないでしょうか。

そのためには、児童手当を拡充したり、義務教育を中等教育全体に拡大(=高校義務教育化)したり、高等教育については給付型奨学金を拡充したりすることによって、子育てや教育にかかる費用を軽減し、所得の少ない人でも結婚して子どもを作れるような社会にしていった方がよいのではないかと思います。

 

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少子化を放置すれば人口が減ってしまい、人口が減れば経済成長は難しくなってしまい、代わりに外国人を受け入れるのであれば、その社会的費用は国民全体が負うことになってしまいます。

もうとっくに人口減少は始まっているので、どのように外国人を受け入れて共生していくかという議論はもちろん必要なのですが、まずは日本人を増やすことを考えた方がいいですよね(苦笑)

 

安倍内閣は今年10月から「幼児教育無償化」を実施する予定にしていますが、これはやらないよりはやった方がよいとは思いますが、あまり優先順位は高くありません。

なぜなら、低所得者に対してはすでに費用が減免されており、恩恵を受けるのは主に高所得者であるからです。

それだったら、そのお金を「待機児童の解消」や「保育士の待遇改善」に集中して使ったほうがよいのではないかと思うのですが、2017年の衆議院選挙で、自由民主党は「幼児教育無償化」を目玉公約として大勝利を収めているのですから仕方がありません。

 

安倍晋三(あべ・しんぞう)内閣総理大臣は、『子ども手当によって、民主党が目指しているのは財政を破綻させることだけではなく、子育てを家族から奪い去り、国家や社会が行う子育ての国家化、社会化です。これは、実際にポル・ポトスターリンが行おうとしたことです。』(『WILL(2010年7月号)』)と主張していました。

どうして、政府による少子化対策ポル・ポトスターリンであるのかまったく理解に苦しむのですが、安倍内閣自民党を支持している人は非常に多いので、今後も大規模な少子化対策が打ち出されることはないでしょう。

普通に考えれば、「保守」の立場としては「日本人を増やすことで、外国人受け入れを少なくて済むようにする」という政策を考えると思うのですが、やっている政策は「日本人を増やさずに、外国人受け入れで補う」ということですよね。

どう考えても、「保守って名乗ってるけど、本当はただの新自由主義だよね?」っていう話だと思うのですが・・・。

 

※注:2019年1月8日にAmebaブログにて投稿した記事を転載しています。