UNEMPLOYED ECONOMICS

失業中で暇な人が経済学を学んでいくブログです。

経済について語ることと経済学を学ぶこと

今回は雑談として、このブログについて考えていることを書き残しておこうかなと思います。

 

経済や経済学をテーマにしたブログはたくさんありますが、なぜか経済について語っている人たちはあまり経済学を学んでおらず、経済学を学んでいる人たちはあまり経済について語らない傾向があるように思います。

この場合の「経済学を学ぶ」というのは、「きちんと体系的に学ぶ」ということです。

経済について語っている人は、得てして自分の主張に都合の良い学説だけを取り入れていて、自分の主張に都合の悪い学説が出てくると、「経済学は間違っている!」などと言い出してしまいがちです(苦笑)

ある特定の経済学者や経済評論家が言っていることを鵜呑みにして、それと整合性のある主張に対しては持て囃し、整合性のない主張に対しては攻撃するというのでは、残念ながらそれは学問ではなくて宗教です。

もちろん、他人がどのようなブログを書いていても別に構わないのですが、「自分はそういうのは嫌だなー」「やっぱりちゃんと勉強しなきゃダメだなー」と思って始めたのがこのブログだったのでした。

 

前回、「GDPデフレーターが100を上回るとインフレ、100を下回るとデフレ」ではないということを書きましたが、これと同じく、「名目GDPが実質GDPを上回るとインフレ、実質GDPを下回るとデフレ」でもありません。

GDPデフレーター=名目GDP/実質GDP×100」ですから、「GDPデフレーターが100を上回るとインフレ」と「名目GDPが実質GDPを上回るとインフレ」というのは、全く同じことを言っていることがわかります。

 

間違っている例として挙げて申し訳ないのですが、ニュースサイト『ガベージニュース』の「日本は1990年代からデフレへ…日米中のGDP推移を詳しく見ていく(最新)」という記事を見てみると、『名目GDPが実質GDPを上回れば物価は上昇、下回れば物価は下落となる。』と思いっきり間違った説明がされています。

「日本の名目・実質GDP(兆円)(IMF予想値含む)」というグラフを見てみると、2011年に名目GDPと実質GDPが一致していますが、これは現在採用されている国民経済計算(GDP統計)が2011年を参照年としているからです。

つまり、2018年の実質GDPというのは、「2018年の名目GDPを2011年当時の物価水準で表してみた」という数字であるわけですね。

ですから、名目GDPと実質GDPを比較することには何の意味もなく、「名目GDPが実質GDPを上回れば物価は上昇」なのであれば、日本は1982年から2010年までずっとインフレであったことになってしまいます。

国際通貨基金International Monetary FundIMF)の「世界経済見通し(World Economic Outlook)」をソースとしているようなので確認してみたのですが、アメリカのデータは参照年が2009年、中国のデータは参照年が2015年となっていました。

実際に、アメリカの名目GDPと実質GDPは2009年に一致し、中国は2015年に一致しています。

『ガベージニュース』の記事では、アメリカが2010年、中国が2016年に一致しているかのように書いてある上に、『実質と名目が入れ替わり、物価上昇状況に移行したことが確認できる。』などとめちゃくちゃな説明をしています。

 

私はこの記事を見て、正直言って少しぞっとしました。

名目値と実質値の違いはあまりにも基本的なことなので、このように完全に勘違いしているというのは、はっきり言ってあり得ないような低レベルの間違いであるからです。

しかも、この『ガベージニュース』は2005年にスタートしていて、経済・投資分野を中心に解説しているサイトのようです。

13年前から経済について語っていて、いまだに名目値と実質値の違いについて理解していないというのは、いったいどういうことなんでしょう???

このサイトの管理人である不破雷蔵(ふわ・らいぞう)さんがどのような人物なのかは知りませんが、たぶんきちんと経済学についての教育を受けていないのでしょう。

もし、経済学についての教育を受けていてこの結果なのであれば、あまりにも残念であるとしか言いようがありません。

 

この『ガベージニュース』の記事を見て、「ああ、やっぱりちゃんと勉強しないとダメなんだな」と改めて思いました。

さすがにここまでひどい間違いはしていないと信じたいですが、私の過去の記事もいろいろ間違っているところがあるに違いありません。

要するに何が言いたいのかというと、「そーいや、最近勉強してないなー」ってことです(笑)

最近は「国の借金なんてウソだ!」という主張に反論する記事を書いていて、これはこれで続けていきたいとは思っているのですが、「経済学を学んでいくブログ」という原点も大切にしなければいけませんね。

 

将来的には、きちんとした経済学の知識を基にして、現実の経済について語れるようになれればいいなと思っています。

 

※注:2018年7月30日にAmebaブログにて投稿した記事を転載しています。

転載するにあたって『ガベージニュース』の当該記事を読み直してみたのですが、1月2日に更新されて、データが最新のものに置き換わっているようです。

しかし残念ながら、未だに名目GDPと実質GDPの説明は間違ったままです・・・。

アメリカの参照年は2012年へと変更になり、中国は2015年のままなので、アメリカの名目GDPと実質GDPは2012年に一致し、中国は2015年に一致しています。

このこととインフレやデフレは、何の関係もありません。