UNEMPLOYED ECONOMICS

失業中で暇な人が経済学を学んでいくブログです。

日本の生産年齢人口と民間企業資本ストック増加率(1995~2014年)

これまで見てきたとおり、日本はデフレのせいで景気が悪いわけでも、デフレのせいで経済成長率が低いわけでも、デフレのせいで少子化になったわけでも、デフレのせいで自殺者が増えたわけでも、デフレのせいで非正規労働者が増えたわけでもありません。

デフレが問題の原因ではないのであれば、日本経済を低迷させている要因はいったい何なのでしょうか?

 

・・・というわけで、総務省統計局ホームページで生産年齢人口(各年10月1日時点)を、内閣府ホームページで民間企業資本ストックの増加率(進捗ベース、実質、前年比)を調べてみました。

 

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出典:総務省統計局「人口推計」、内閣府民間企業資本ストック

 

「生産年齢人口」というのは、15~64歳の人口のことです。

「民間企業資本ストック」というのは、民間企業部門における生産設備の蓄積(ストック)のことです。

生産設備が古くなるなどして除却される分よりも新たに投資される分が多ければ、生産設備のストックは増えていくというわけですね。

平成17年基準(1993SNA)のデータは1994年までさかのぼれるので、今回は1995~2014年の確報値を採用しました。

今回採用したのは「進捗ベース」のデータなので、完成した設備のほか、建設中・取付中の設備を含めた資産額となっています。

グラフにしたデータは有形固定資産のみで、無形固定資産(ソフトウェア)は含まれていません。

 

結果は見ての通り、民間企業資本ストックの増加率は右肩下がりで低下しています。

景気の変動に応じて上がったり下がったりしていますが、1995年には全企業で3.8%、1997年には4.7%あった増加率が、2014年には1.4%しかないのです。

無形固定資産について見てみても、1995年には全企業で8.0%、2001年には13.6%あった増加率が、2014年には1.1%しかありません。

 

あなたが企業経営者だったとして、これからの設備投資を考える際、将来の市場規模を考慮に入れませんか?

新しく店舗を出店するにしても、新しく工場を建設するにしても、その国の市場が今後拡大していくのか、縮小していくのかを考慮に入れるのではありませんか?

私だったら、人口減少により縮小することが確実な市場に、積極的に投資しようとは考えないですけどねぇ・・・。

日本の生産年齢人口がピークに達したのは1995年のことですから、総人口はまだ増え続けていても *1 、そろそろ海外に打って出た方が良いと考えると思います。

実際に企業経営者は、1990年代後半くらいから日本国内への投資を手控え始め、その結果として、総需要が大幅に減少してしまったのではないでしょうか。

 

1990年代後半に日本企業は、少子化の進展による生産年齢人口の減少に直面することになり、将来的な市場縮小を見越して、国内への投資を減少させました。

また、かつてのような経済成長は期待できないので、これまでの雇用慣行を見直し、正規雇用を削減して非正規雇用に置き換えることを行いました。

そのため、総供給に対して総需要が慢性的に不足してしまうこととなってしまい、その結果としてデフレが発生したのではないでしょうか。

要するに、デフレは「原因」ではなく「結果」に過ぎないのです。

ですから、政府や日本銀行がデフレ脱却を目指すのは大切なことだとは思いますが、残念ながら、インフレを起こすことによって日本経済が抱えている問題を解決することはできないのですね。

 

おそらく、日本経済低迷の根本原因は生産年齢人口の減少でしょうから、少子化対策に地道に取り組んでいくしかないのではないでしょうか。

団塊ジュニア世代が出産適齢期を過ぎているため、もはや完全に手遅れであることは確かですが、今からでも大規模な少子化対策を行った方が良いのではないかと思います。

 

※注:2017年1月8日にAmebaブログにて投稿した記事を転載しています。

内閣府が公表していた「民間企業資本ストック速報」は、現在では「固定資本ストック速報」となっています。

*1:総人口のピークは2010年です。