UNEMPLOYED ECONOMICS

失業中で暇な人が経済学を学んでいくブログです。

日本のコアCPI上昇率と自殺者数(1978~2015年)

では、インフレやデフレと自殺者数はどのような関係にあるのでしょうか?

 

・・・というわけで、総務省統計局ホームページでコアCPI上昇率(前年比)を、厚生労働省ホームページで自殺者数を調べてみました。

 

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出典:総務省統計局「消費者物価指数(CPI)」、厚生労働省平成28年度版自殺対策白書

 

自殺者数については、警察庁が「自殺統計」を作成しているのですが、警察庁ホームページには時系列データが見当たりませんでした。

そこで今回は、厚生労働省の「平成28年度版自殺対策白書」から、警察庁の自殺統計を基に厚生労働省自殺対策推進室が作成した時系列データを用いました。

1989年・1997年・2014年にコアCPI上昇率が跳ね上がっているのは、消費税が導入・増税されたことによるものですので、ご注意ください。

 

自殺者数については、1998年の急増ぶりに驚かされます。

1997年の24,391人から1998年の32,863人へと急に8,472人も増えたのですから、これは異常事態です。

日本経済がデフレに陥ったのが概ね1998年くらいからなので、「デフレで自殺者数が増えた!」という主張が出てくるわけですね。

しかし、2009年の32,845人から6年連続で減少していることを考えると、デフレだから自殺者数が増えるとは言えないように思います。

2010年以降はインフレだったかというとそんなことはなくて、2010~2012年はデフレ真っ最中なのにも関わらず自殺者数は減少しています。

 

ちなみに、高橋洋一嘉悦大学ビジネス創造学部教授は、「民主党政権は、誤った経済政策で自殺者数を増やした!」と主張していました。

民主党を中心とした連立政権だったのは2009年9月16日~2012年12月26日ですが、2010年・2011年・2012年の自殺者数はいずれも前年を下回っています。

1998年以降は自殺者数が毎年3万人を超え続け、少なかった2001年でも31,042人、多かった2003年には34,427人にまで達していました。

それが、民主党政権交代すると減り始め、2011年には2001年を下回る30,651人、2012年には27,858人にまで減少しています。

ですから、誰がどう考えても、民主党政権下で自殺者数は減っていることがわかりますね。

このように、経済学者や経済評論家の中には「平気でウソをつく人」が存在しており、そのような人たちに騙されたくないのであれば、自分が勉強するしかありません。

 

それはさておき、あまり話題になりませんが、1983年の自殺者数も急増しています。

1982年の21,228人から1983年の25,202人へと3,974人も増えているのですが、この時は何があったのでしょうか?

もちろん、この当時はずっとインフレが続いていたことは言うまでもありません。

 

普通に考えれば、インフレやデフレといった物価による影響ではなく、好況や不況といった景気による影響が大きいのではないかということになると思います。

1980年3月~1983年2月の36ヵ月間、1997年6月~1999年1月の20ヵ月間は景気後退期ですから、不況が続くとその後に自殺者数が増えるという関係がありそうですね。

 

しかし、なぜ不況真っ最中ではなく、不況から遅れて自殺者数が増えるのでしょうか?

次回は、このあたりのことを考えるために、完全失業者数と自殺者数について調べてみたいと思います。

 

※注:2016年12月30日にAmebaブログにて投稿した記事を転載しています。