UNEMPLOYED ECONOMICS

失業中で暇な人が経済学を学んでいくブログです。

日本のコアCPI上昇率と実質経済成長率(1995~2015年)

では、インフレやデフレと経済成長率はどのような関係にあるのでしょうか?

 

・・・というわけで、総務省統計局ホームページでコアCPI上昇率(前年比)を、内閣府ホームページで実質経済成長率(前年比)を調べてみました。

 

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出典:総務省統計局「消費者物価指数(CPI)」、内閣府国民経済計算(GDP統計)

 

国民経済計算(GDP統計)の平成23年基準(2008SNA)のデータは1994年までさかのぼれますので、今回は1995~2015年のコアCPI上昇率と実質経済成長率をグラフにしてみました。

1997年と2014年にコアCPI上昇率が跳ね上がっているのは、消費税が増税されたことによるものですので、ご注意ください。

 

結果は見ての通り、インフレやデフレとは関係なく、経済は概ね成長し続けていることがわかります。

コアCPI上昇率がマイナスを示しているデフレの時期を見てみると、2000~2005年はデフレであるにもかかわらず、実質経済成長率はプラス成長です。

2002年2月~2008年2月まで73ヵ月間の景気拡張期が続いたわけですから、「いざなみ景気」と呼ばれる戦後最長の景気拡大は、デフレ真っ最中にスタートしていることがわかりますね。

2009~2012年もデフレであるにもかかわらず、2010年にはリーマン・ショックに端を発する世界同時不況からのV字回復を成し遂げています。

東日本大震災が発生したにもかかわらず、2009年4月~2012年3月まで36ヵ月間の景気拡張期が続きました。

民主党政権で経済がガタガタになった!」などと主張する人が時々いますが、民主党政権下では基本的に景気拡大が続いていたことがわかりますね。

 

実際のところ、物価上昇率と実質経済成長率には必ずしも相関関係があるわけではなく、「インフレ→プラス成長/デフレ→マイナス成長」や「インフレ→高成長/デフレ→低成長」ということではありません。

ここはややこしいところなのですが、経済全体にとってはデフレよりもインフレのほうが望ましいことは確かだと思いますが、だからと言って、「インフレにすれば経済が成長する!」とか「高インフレにすれば経済が高成長する!」とかいうことではないのですね。

ですから、政府や日本銀行がデフレ脱却を目指すのは大切なことだとは思いますが、残念ながら、物価をコントロールすることによって経済成長をコントロールすることはできないのですね。

 

もちろん、物価が上昇すれば、名目経済成長率はその分だけ上昇します。

しかし、もし実質経済成長率がゼロ成長なのであれば、それは物価が上昇した分だけ「見かけ上」経済成長しているに過ぎません。

ですから、その国が実際にどのくらい経済成長しているかは、名目ではなく実質経済成長率を見る必要があります。

もし実質経済成長率が伸びないまま、ただ物価だけが上昇するのであれば、一般の国民は物の値段が高くなった分だけ貧しくなってしまうことになります。

アベノミクスについて考えるときには、このあたりのことを十分考慮に入れるべきなのではないかと思います。

 

次回は、インフレやデフレと少子化について調べてみたいと思います。

 

※注:2016年12月28日にAmebaブログにて投稿した記事を転載しています。