UNEMPLOYED ECONOMICS

失業中で暇な人が経済学を学んでいくブログです。

日本のコアCPI上昇率とDI一致指数(2006~2016年)

では、インフレやデフレと景気はどのような関係にあるのでしょうか?

 

景気の変動を表す指数として、「景気動向指数」というものがあります。

景気動向指数には「コンポジット・インデックス(composite index:CI)」と「ディフュージョン・インデックス(diffusion index:DI)」があり、CIは景気変動の大きさやテンポ(量感)を、DIは景気の各経済部門への波及の度合い(波及度)を測定することを主な目的としています。

CIとDIには、それぞれ景気に対し先行して動く先行指数、ほぼ一致して動く一致指数、遅れて動く遅行指数があり、内閣府から毎月発表されています。

 

・・・というわけで、総務省統計局ホームページでコアCPI上昇率(前年同月比)を、内閣府ホームページでDI一致指数を調べてみました。

 

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出典:総務省統計局「消費者物価指数(CPI)」、内閣府景気動向指数

 

DI一致指数が50を上回っているときは概ね景気が良くなっている、50を下回っているときは概ね景気が悪くなっていると判断することが出来ます。

ここで気をつけなければならないのは、「DI一致指数が100の時が景気の山、0の時が景気の谷ではない」ということです。

景気の山や谷、つまり景気拡張や景気後退がピークを迎えた時には、景気改善を示す指標と景気悪化を示す指標が釣り合っているでしょうから、DI一致指数は50程度になっていると考えられます。

実際の景気の山や谷(景気基準日付)の判定については、「ヒストリカルDI」という指数が用いられています。

 

結果は見ての通り、コアCPI上昇率の動向 *1 とは関係なく、景気が良くなったり悪くなったりしていることがわかりますね。

もっとよく見ると、景気が良くなったり悪くなったりした後で、コアCPI上昇率も上がったり下がったりしていることが見て取れます。

つまり、景気が良くなると少し遅れてコアCPI上昇率が上がり、景気が悪くなると少し遅れてコアCPI上昇率が下がるという関係にあるのですね。

ということは、「インフレ→好況/デフレ→不況」ではなくて、「好況→インフレ/不況→デフレ」だということです。

 

実際のところ、消費者物価指数景気動向指数の遅行指数を構成する指標の一つとなっています。

消費者物価は景気に遅れて変化するわけですから、「景気が悪いのはデフレのせいだ!」「インフレにすれば景気が良くなる!」というのは、まったくおかしな話であることが分かると思います。

もちろん、経済全体にとってはデフレよりもインフレの方が望ましいだろうとは思いますが、残念ながら、物価をコントロールすることによって景気をコントロールすることはできないのですね。

 

次回は、インフレやデフレと経済成長率について調べてみたいと思います。

 

※注:2016年12月25日にAmebaブログにて投稿した記事を転載しています。

 

※追記:DI一致指数を見るよりCI一致指数を見たほうがわかりやすいので、コアCPI上昇率とCI一致指数のグラフを作成しました。

ameblo.jp

*1:2014年4月~2015年3月の物価上昇は、消費税が5%から8%に増税されたことによるものです。