UNEMPLOYED ECONOMICS

失業中で暇な人が経済学を学んでいくブログです。

NHK総合『NHKスペシャル マネー・ワールド 資本主義の未来』

今日は、録画しておいたNHK総合NHKスペシャル マネー・ワールド 資本主義の未来』第1~3集を視聴しました。

第1集のサブタイトルは「世界の成長は続くのか」、第2集は「国家VS.超巨大企業 ~富をめぐる攻防~」、第3集は「巨大格差 その果てに」となっています。

 

私個人としては、資本主義が成長の限界に達しているとは考えておらず、将来にはやや楽観的な考えを持っています。

経済成長にブレーキをかけているのは生産年齢人口の伸びの低下(日本の場合は減少)なので、子育て世帯に手厚い社会保障制度を整備するなどの「富の再分配」政策が必要だと考えています。

日本の場合、バブル景気が崩壊した後に大規模な財政・金融政策を実施したにもかかわらず長期停滞が続いているわけで、もうさすがに重要なのは人口問題だということに気がつくでしょう。

気がつかない人は、いまだにリフレ政策を主張したり、公共事業の実施を主張したりしているわけですが、必要なのは大規模な少子化対策の実施ですよ。

しかし、民主党の「子ども手当」政策さえ、バラマキであるとさんざん批判されて廃止に追い込まれてしまったことを考えると、日本の経済停滞はまだまだ続くんだろうなと思います。

 

番組では、いわゆる「新自由主義」政策が経済的格差の拡大を引き起こしたという趣旨のようでした。

シャンパンタワーを使った「トリクルダウン理論」の説明はとてもわかりやすくて、一番上のシャンパングラスが非常に大きければ、トリクルダウンなど起こるはずもないことは誰の目にも明らかです(笑)

新自由主義政策によって格差が拡大するのは当たり前なのですが、日本の場合は、国民が新自由主義を求めたのだから仕方がないですよね。

日本で新自由主義に基づいた政策が推し進められたのは、1982~1987年の中曽根内閣と2001~2006年の小泉内閣の時です。

どちらの内閣も、国民の高い支持率を背景として長期政権を維持しました。

 

中曽根内閣の時の野党は日本社会党が中心、小泉内閣の時の野党は民主党が中心となっており、自由民主党への対抗軸が変化しているところがポイントです。

すなわち、かつては「自由主義」対「社会主義」という対抗軸で政界が成り立っており、さらに自民党内部には「新自由主義」対「社会自由主義」という対抗軸があったのですね。

かつての自民党では、社会自由主義的な傾向を持つ「保守本流」と呼ばれる政治家たちが政権を担うことが多く、比較的平等な福祉国家としての日本を建設しました。

 

1991年のソビエト連邦崩壊後は、1996年に日本社会党社会民主党に改称して、現在では衆議院参議院合わせて4議席の弱小勢力となりました。

同じ1996年には(旧)民主党が結党されて、1998年にはさらに野党が結集して(新)民主党へと拡大するわけですね。

2003年の民主党自由党による「民由合併」を経て、2009年には歴史的な政権交代が行われることになるわけですが、この過程で社会自由主義的な傾向を持つ政治家は、かなり民主党へと移行したのですね。

新自由主義的な傾向を持つ自民党と、社会自由主義的な傾向を持つ民主党という二大政党へと移り変わったわけです。

今年には、民主党と維新の党が合併して「民進党」ができましたが、おそらく社会自由主義的な方向性は変わらないでしょう。

 

経済団体がバックについている自民党新自由主義的に、労働組合がバックについている民進党社会自由主義的になるのは必然なので、新自由主義による格差拡大が嫌なのであれば、普通に民進党を支持すればいいだけのように思うんですけどね。

資本主義が今後も発展していくためには、経済的自由と経済的平等のバランスをうまくとることが重要であり、そのためには、新自由主義政党と社会自由主義政党との間で適度に政権交代が行われる必要があるのではないでしょうか。

新自由主義政策ばかりが推し進められてしまうと、社会に貧困と分断が広がり、極右(あるいは、極左)勢力が台頭するなど取り返しのつかないことになってしまうかもしれません。

そのような事態は、資本家にとっても、労働者にとっても、まったくプラスにならないでしょうから、私は富の再分配による格差是正が行われることを望んでいます。

 

※注:2016年11月3日にAmebaブログにて投稿した記事を転載しています。