UNEMPLOYED ECONOMICS

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『マンキュー経済学Ⅰ ミクロ編(第3版)』第13~14章読了

『マンキュー経済学Ⅰ ミクロ編(第3版)』(N・グレゴリー・マンキュー著、東洋経済新報社)の第13~14章を読み終わったので、内容を軽くまとめておきたいと思います。

 

マンキュー経済学 I ミクロ編(第3版)

マンキュー経済学 I ミクロ編(第3版)

 

 

企業の目的は、「総収入(total revenue)」から「総費用(total cost)」を差し引いた「利潤(profit)」を最大化することです。

経済学上の利潤は会計上の利潤とは異なり、計算する際の費用にはすべての機会費用が含まれます。

例えば、企業経営に充てている時間を使えば他で得られたであろう賃金収入や、工場購入に充てたお金を銀行に預けておけば得られたであろう金利収入も、費用に含まれるわけですね。

会計上は利益が出ていても、会社をたたんで工場を売り払い、どこかで働いたほうが収入が多くなるのであれば、企業を経営している意味がないというわけです。

 

企業が労働者を増やしていくと最初は生産物が増えますが、次第に生産物の増加が少なくなってきます。

これを「限界生産物逓減(diminishing marginal product)」と言い、その結果として、企業の費用は生産量が増えるにつれて増えかたが急になっていきます。

企業の総費用を生産量で割ったものを「平均総費用(average total cost)」、生産量が1単位増えた時の総費用の増加分を「限界費用(marginal cost)」と言い、この二つを図示すると、平均総費用曲線はU字型のカーブを描いて最小値で限界費用曲線と交わります。

この平均総費用が最小となる生産量を企業の「効率的規模(efficient scale)」と言い、生産量が効率的規模より少ないときは生産量を増やすことで、効率的規模より多いときは減らすことで、平均総費用を減少させることができるわけですね。

 

企業の総収入を販売量で割ったものを「平均収入(average revenue)」、販売量が1単位増えた時の総収入の増加分を「限界収入(marginal revenue)」と言い、完全競争市場においてはどの売り手も市場支配力を持っておらず、販売量が価格に影響しないため、「価格=平均収入=限界収入」となります。

ということは、総収入を増やすためには販売量を増やせばよいわけですが、そのために生産量を増やすと総費用も増加してしまいます。

ですから、利潤を最大化するためには、限界収入(=価格)と限界費用が等しくなるような生産量を選べばよいということになるわけですね。

企業は限界費用曲線を基にして、価格に応じて生産量を決めるのですから、競争企業においては「限界費用曲線=供給曲線」になります。

ただし、価格が「平均可変費用(average variable cost)」以下にまで下がってしまうと、作れば作るほど損失が増えるので、企業は一時的に操業を停止してしまいます。

たとえ価格が平均可変費用を上回っていたとしても、平均総費用を下回っているのであれば利益が出ないので、長期的には企業は市場から退出してしまいます。

ですから、競争企業の短期の供給曲線は、限界費用曲線のうち平均可変費用曲線よりも上の部分、長期の供給曲線は、限界費用曲線のうち平均総費用曲線よりも上の部分となります。

 

完全競争市場においては、企業は自由に市場に参入したり退出したりできるので、価格によって正の利潤(=利益)が見込まれるときには企業が参入し、負の利潤(=損失)が見込まれるときには企業が退出します。

企業が参入して供給量が増えれば価格が低下し、企業が退出して供給量が減れば価格が上昇するので、長期的にはすべての企業の利潤がゼロになるような企業数に調整されることになります。

長期的には利潤がゼロですが、経済学上の利潤からはすべての機会費用が差し引かれているので、会計上の利潤で見れば利益は十分に出ています。

そしてこの時、「価格=限界費用=平均総費用」となっているので、すべての企業は効率的規模で生産しているということになります。

 

完全競争市場においては、むちゃくちゃ理想的な状態に落ち着くということになるわけですが、もちろんこれはいろんな仮定を置いた上での一つの「モデル」であり、実際の市場がこのままこの通りになるわけではありません。

完全競争市場においては、多数の売り手が自由に市場に参入できるということを想定していましたが、市場が1社や数社の企業により占められているとしたらどうでしょう?

あるいは、多くの企業が参入していても、生産している製品が少しずつ違うものであったとしたらどうでしょう?

この後の章では、このような「独占(monopoly)」「寡占(oligopoly)」「独占的競争(monopolistic competition)」と呼ばれるような市場構造について学んでいくことになります。

 

※注:2016年11月1日にAmebaブログにて投稿した記事を転載しています。