UNEMPLOYED ECONOMICS

失業中で暇な人が経済学を学んでいくブログです。

『マンキュー経済学Ⅰ ミクロ編(第3版)』第Ⅳ部読了

『マンキュー経済学Ⅰ ミクロ編(第3版)』(N・グレゴリー・マンキュー著、東洋経済新報社)の第Ⅳ部「公共部門の経済学」を読み終わったので、内容を軽くまとめておきたいと思います。

章立てとしては、第10~12章になります。

 

マンキュー経済学 I ミクロ編(第3版)

マンキュー経済学 I ミクロ編(第3版)

 

 

基本的に市場メカニズムに任せるのが良いといっても、市場経済が万能というわけではありません。

例えば、公害などは典型的な「市場の失敗(market failure)」で、単純に市場メカニズムに任せていたのでは、汚染物質が垂れ流しになってしまいます。

このような経済活動の周囲に対する悪影響を「負の外部性(negative externality)」と呼び、政府は規制を行ったり、課税したり、排出権取引を導入したりすることで状況を改善することができます。

 

財は、「人々がその財を使用できないようにすることができるか」、「ある人がその財を使用することによって、他の人がその財を利用できる量は減少するか」によって、「私的財(private goods)」「クラブ財(club goods)」「共有資源(common resources)」「公共財(public goods)」の4種類に分類できます。

この教科書で挙げられている例は、次のようなものです。

 

【私有財】アイスクリーム、衣服、渋滞した有料道路

【クラブ財】消防、ケーブルテレビ、渋滞していない有料道路

【共有資源】海中の魚、環境、渋滞した無料道路

【公共財】竜巻警報のサイレン、国家防衛、渋滞していない無料道路

 

公共財を市場メカニズムに基づいて供給しようとすると、対価を支払わずに便益だけを享受しようとする人(フリーライダー(ただ乗り))が出てくるので、うまく供給されません。

そこで公共財については、政府が税収を使って供給する必要があります。

政府が基礎研究のために補助金を支給したり、貧困撲滅のために福祉事業を行ったりするのも、公共財の供給であるわけですね。

共有資源を自由に利用できるようにすると、過剰に利用されて資源が枯渇してしまいます。

そこで、共有資源については、政府が何らかの方法で利用を制限する必要があります。

 

税制については、効率と公平のバランスに気を付けることが必要です。

効率という点で言えば、全員に一律の税額(一括税)を課すのが最も良いということになります。

しかし、これでは公平が保たれませんので、「応益原則(benefits principle)」と「応能原則(ability-to-pay principle)」という二つの課税原理があります。

応益原則はその人がどれだけの便益を政府サービスから得ているかに応じて課税されるべきという考え方で、応能原則はその人がどれだけの負担をすることが可能かに応じて課税されるべきという考え方です。

さらに応能原則に基づいて、高い担税力を持つ納税者は多くの金額を供出すべきだという考え方が「垂直的公平(vertical equity)」、同じ担税力を持つ納税者は同じ金額を供出すべきだという考え方が「水平的公平(horizontal equity)」となります。

 

税制にはちょっと興味があるのですが、「所得と消費のどちらに課税されるべきか」といったことも載っていて、非常に興味深かったです。

所得税は労働や貯蓄を抑制するインセンティブをもたらすので、所得への課税から消費への課税にシフトしているというわけですね。

しかし、消費税の最大の問題点は、低所得者ほど所得に占める税の割合が大きくなり、税負担が重くなってしまうということです。

ですから、所得税累進課税を強化するなどして、「累進税(progressive tax)」である所得税と「逆進税(regressive tax)」である消費税をうまく組み合わせることが必要なのではないかと思います。

 

※注:2016年10月20日Amebaブログにて投稿した記事を転載しています。