UNEMPLOYED ECONOMICS

失業中で暇な人が経済学を学んでいくブログです。

日銀が国債を買えば、財政問題は解決する?

これまで、日本には1千兆円を超える「国(中央政府)の借金」があることを見てきました。

 

しかし、国の借金については、「日本銀行国債を購入しているから問題ない!」という意見も見受けられます。

確かに、アベノミクス・第一の矢である大胆な金融政策で、日銀は「量的・質的金融緩和(異次元の金融緩和)」政策を行っていて、国債を大量に購入していますよね。

では、日銀が国債を買うことで、はたして財政問題は解決するのでしょうか?

 

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出典:日本銀行政府債務

 

1996年8月~2016年7月の政府債務所有者・借入先別内訳です。

2003年4月に政府の保有分が激減していますが、これは日本郵政公社発足によるものと思われます。

2013年4月の「量的・質的金融緩和」導入以降は、日銀の保有分が激増していることがわかりますね。

 

日銀は政府の子会社のようなものなので、政府の発行した国債と日銀の保有している国債は相殺して考えることができます。

日銀のデータによれば、2016年7月末時点での政府債務は1061兆円、その内378兆円は日銀、22兆円は政府自身が保有しているので、実際の政府債務は661兆円に過ぎません。

日銀は毎年80兆円規模の国債を購入しているので、これ以上国債を増やさなければ10年以内に財政再建完了!・・・って、そんな都合の良い話があるわけないだろ(笑)

 

これはただ単に、日銀による実質的な「財政ファイナンス国債マネタイゼーション)」が行われているということを表しているに過ぎません。

一般的に財政ファイナンスとは、日銀が国債を直接引き受けて、政府の財政赤字を補てんすることをいいます。

現在は、日銀が国債を直接引き受けているわけではありませんが、民間金融機関が購入した国債を、それ以上の高値で根こそぎ購入しているわけですから、実質的には財政ファイナンスが行われているとみなすことができる状況です。

財政ファイナンスが行われるようになると、無限に財源があるかのように錯覚してしまうので、財政拡張に歯止めが掛からなくなってしまう恐れがあります。

高橋是清(たかはし・これきよ)が日銀による国債引き受けを実施して以降、軍事費が膨らんでいってしまった戦前の日本のようになってしまうわけですね。

 

もし、中央銀行の通貨発行で財源をすべて賄えるのであれば、そもそも税金は必要なくなるので、「無税国家」が誕生します。

それで良いのだったら、すでに世界中の国々がそうしているはずです。

残念ながら、通貨を発行し過ぎると、悪性のインフレが発生して国民の生活を破壊してしまいます。

ですから、あえて政府から中央銀行を独立させて、そのようなことがなるべく起こらないようにしているわけですね。

 

結局のところ、日銀が購入しても国債が消滅するわけではないので、財政問題が解決するということにはならないのですね。

うーん、良いアイディアかと思ったのですが、なかなかうまい話って無いもんですねぇ・・・(涙)

 

※注:2016年9月16日にAmebaブログにて投稿した記事を転載しています。