UNEMPLOYED ECONOMICS

失業中で暇な人が経済学を学んでいくブログです。

日本の国債及び借入金現在高(2007~2016年)

さて今回からは、いわゆる「国の借金」について考えてみたいと思います。

国の借金としてまず思い浮かぶのが、財務省が年に4回公表している「国債及び借入金現在高」ですよね。

 

・・・というわけで、財務省ホームページで過去10年間の6月末時点での国債及び借入金現在高を調べてみました。

 

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出典:財務省国債及び借入金並びに政府保証債務現在高

 

最新の2016年6月末現在で1053兆円に達していて、これが「国の借金が1053兆円。国民一人当たり830万円」といった感じで報道されるわけですね。

これに対して、「いや、これは政府の借金であって、国民の借金ではない!」などという人がいますが、それは当たり前の話なんですよね。

正確には、これは「中央政府の借金」です。

私たちは中央政府のことを「国」、地方政府のことを「地方公共団体」と呼んでいますので、「中央政府の借金=国の借金」というだけの話なんです。

 

問題はそんなところにあるのではなくて、国債及び借入金現在高」は国の借金について考える際に適当な指標ではないということなんです。

見ての通り、内訳には「財政投融資特別会計国債(財投債)」や「政府短期証券」が含まれています。

財投債は、償還や利払いが財政融資の貸付回収金によって行われているので、私たち国民の税負担にはなりません。

政府短期証券は、政府が一時的な資金不足を補うために発行するものです。

具体的には、例えば為替市場で円売りドル買い介入を行う際に、アメリカ国債を購入する資金として発行されます。

私たちが、いわゆる「国の借金」について考えるときには、これらは含める必要が無いように思います。

 

さらに、「負債だけでなく、資産も見なければ、財務状況は分からないんじゃないの?」という気もしますよね。

中央政府の借金だけでなく、地方政府の借金は考えなくてもいいの?」という疑問も湧いてきます。

別に私たちは、中央政府の借金だけ知りたいわけではなくて、どちらかといえば政府全体の借金が知りたいわけです。

というわけで、「国債及び借入金現在高」だけを見ていても、国(中央政府)の借金が増えているということがわかるだけで、具体的なことはよくわからないということなのです。

 

※注:2016年9月12日にAmebaブログにて投稿した記事を転載しています。