UNEMPLOYED ECONOMICS

失業中で暇な人が経済学を学んでいくブログです。

先進国の15~64歳女性の労働力率と合計特殊出生率(2013年)

最近、所得税配偶者控除の見直しが話題になっていますね。

配偶者控除で専業主婦を優遇したり、実質的にパート労働時間を制限したりすることは、少子化対策としてはプラスなのでしょうか?

 

・・・というわけで、国際労働機関(International Labour Organization:ILO)ホームページと経済協力開発機構(Organisation for Economic Co-operation and Development:OECD)ホームページで先進国の15~64歳女性の労働力率合計特殊出生率を調べ、相関分析を行ってみました。

 

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出典:国際労働機関(ILO)「Labour force participation rate by sex and age」、経済協力開発機構OECD)「Fertility rates

 

「先進国」は、経済協力開発機構OECD)加盟国としました。

2013年の労働力率合計特殊出生率のデータが揃った29ヵ国について、散布図を作成しました。

本当は2014年のデータで分析を行いたかったのですが、なぜか肝心の日本のデータが無かったので、2013年を採用しました。

「15~49歳女性の労働力率」の方がより適切なように思いますが、データが無かったので「15~64歳女性の労働力率」を用いました。

29ヵ国中、他の先進国とはかけ離れた数値を示していた3ヵ国(イスラエル・メキシコ・トルコ)は「外れ値」として削除し、26ヵ国(オーストリア・ベルギー・チリ・チェコデンマークエストニアフィンランド・フランス・ギリシャハンガリーアイスランドアイルランド・イタリア・日本・ルクセンブルク・オランダ・ニュージーランドノルウェーポーランドポルトガルスロバキアスロベニア・スペイン・スウェーデン・スイス・イギリス)について相関分析を行いました。

 

結果は見ての通り、中程度の相関ではあるものの、15~64歳女性の労働力率合計特殊出生率の間には正の相関があることがわかります。

すなわち先進国においては、女性の労働力率が高い国ほど合計特殊出生率も高い傾向にあるわけですね。

なんとなく、女性の社会進出が進んで専業主婦が減ると、合計特殊出生率も低下してしまうような気がしますが、きちんと育児支援などの制度が整った先進国では、そのようなことは起こりづらいということのようです。

 

だとすれば、所得税配偶者控除は、少子化対策としては何の役にも立っていないということになります。

というか、そもそも少子化対策のために始まった制度ではないのですから、もはや時代に合わなくなってしまったことを考えると、バッサリ廃止してもよいのではないかと思います。

配偶者控除廃止によって得られる税収で、子育て世帯向けの手当を拡充してはどうかと私は思うのですが、いかがでしょうか?

 

※注:2016年9月7日にAmebaブログにて投稿した記事を転載しています。

 

※追記:この記事の相関分析について貴重なアドバイスをいただきましたので、併せてご覧になることをおススメします。

www.bananarian.net