UNEMPLOYED ECONOMICS

失業中で暇な人が経済学を学んでいくブログです。

国の一般会計税収(1989~2015年度)

前回は、高齢化の進展による社会保障関係費の自然増で、国の一般会計が慢性的に赤字になってしまっていることを確認しました。

それでは、国の歳入の方はどうなっているのでしょうか?

 

・・・というわけで、国税庁ホームページと財務省ホームページで国の一般会計税収を調べてみました。

 

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出典:国税庁国税庁統計年報」、財務省租税及び印紙収入決算額調

 

国の一般会計決算を基にした、租税及び印紙収入と所得税・消費税・法人税の税収の推移です。

財務省ホームページには1997年度以降しかデータが載っていなかったので、1996年度以前は国税庁ホームページのデータを使用しました。

国税庁ホームページにも1989年度以降しかデータが載っていなかったので、今回は1989~2015年度のグラフを作成してみました。

 

1989年度から税率3%の消費税が導入され、1997年度から税率5%、2014年度から税率8%に増税され、着実に消費税の税収は増えていますね。

しかし、その代わりに所得税法人税の税収が右肩下がりに減少していき、国の税収自体はあまり増えていないことがわかります。

 

このデータを基に、「消費税を増税すると日本の経済状況が悪くなってしまい、結果として国の税収は減ってしまう!」と間違った主張をする人たちがいます。

租税及び印紙収入の推移を見てみると、「1991年度から」「1997年度から」「2000年度から」「2007年度から」と4回の大きな落ち込みが見て取れますね。

これらは、1991年のバブル景気崩壊、1997年のアジア通貨危機、2000年のITバブル崩壊、2007年の世界金融危機により不況になったからであって、消費税の増税により不況になったからではありません。

消費税の増税は、1989年度(導入)、1997年度、2014年度ですから、1997年度以外まったく一致していないことがわかると思います。

 

それでも、「消費税導入後、所得税法人税の税収は大幅に落ち込んでいるではないか!」と主張する人もいるかもしれませんね。

確かにそうなのですが、これは消費税の導入や増税が原因ではありません。

何のことはない、所得税法人税については減税したからに過ぎないのですね。

1989~1998年の所得税最高税率は50%でしたが、1999~2006年は37%、2007~2014年は40%、2015年からは45%となっています。

最高税率が下がっただけでなく、「定率減税」として1999~2005年は所得税額から税額20%相当、2006年は10%相当が控除されました。

法人税の基本税率も、1989年は40%でしたが、1990~1997年は37.5%、1998年は34.5%、1999~2011年は30%、2012~2014年は25.5%、2015年は23.9%となっています。

・・・減税すれば、そりゃ税収は下がりますよね(汗)

 

きちんと事実を確認しないと、「消費税を増税すると、国の税収が減る!」「国の税収を増やすには、消費税を減税すればいい!」といった間違った主張に騙されてしまうことになります。

グラフを見ればわかるとおり、所得税法人税の税収は経済状況に大きく影響されます。

それに対し、消費税の税収は非常に安定しているので、自然増が続く社会保障関係費の財源にはとても適しています。

税金を払うのは嫌なことですが、社会保障の維持という観点からも、どのくらいの負担を受け入れるべきなのか、国民一人ひとりがきちんと考える必要があるのではないでしょうか。

 

※注:2016年8月24日にAmebaブログにて投稿した記事を転載しています。