UNEMPLOYED ECONOMICS

失業中で暇な人が経済学を学んでいくブログです。

日本の社会保障関係費(1996~2015年度)

前回は、国の一般会計歳出のうち3割以上、基礎的財政収支対象経費のうち4割以上を「社会保障関係費」が占めていることを確認しました。

では、社会保障関係費とは具体的にどのような費用のことなのでしょうか?

 

・・・というわけで、財務省ホームページで過去20年間の社会保障関係費(国の一般会計)を調べてみました。

 

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出典:財務省財政統計(予算決算等データ)

 

2014年度までは決算、2015年度は補正後予算のデータです。

2009年度に区分の見直しが行われており、2008年度までの社会保険費が年金医療介護保険給付費に、失業対策費が雇用労災対策費にほぼ対応しています。

2000年度から社会福祉費が大幅に減少していますが、これは2000年4月に介護保険制度がスタートし、高齢者福祉が社会保険へ移行したことによるものと思われます。

2009年度から社会福祉費が大幅に増加していますが、これは2010年1月に日本年金機構が発足し、運営費交付金などに充てるため年金特別会計へ繰入れを行っていることによるものと思われます。

 

うーん、20年間で倍以上に増えてしまっていますねぇ・・・。

これでは、国の一般会計が慢性的に赤字になってしまうのも仕方がないですよね。

 

社会保障関係費の大部分は「年金医療介護保険給付費(旧社会保険費)」であり、つまり、公的年金保険や公的医療保険や公的介護保険の公費負担分が23兆円くらいあるということです。

平成27年版厚生労働白書を見てみると、その内訳は年金が11.0兆円、医療が9.4兆円、介護が2.6兆円となっています。

 

あらためて説明するまでもないかもしれませんが、高齢化の進展により社会保障関係費が自然に増えていってしまっているのですね。

2012年2月に閣議決定された「社会保障・税一体改革大綱」には、『毎年1兆円規模の社会保障の自然増が不可避』と記載されており、多少は伸びを抑制したとしても社会保障関係費が今後も増加していくことは確実です。

 

これまで見てきたとおり、慢性的な国の財政赤字国債残高の累積、社会保障関係費の自然増などを考えると、「公共事業関係費の大幅増」というのはかなり困難であると考えられます。

「公共事業で景気回復!」と思ってみても、「でも、財源が・・・」というなかなか厳しい状況にあるわけですね。

 

※注:2016年8月23日にAmebaブログにて投稿した記事を転載しています。