前回は、国の一般会計が慢性的に赤字に陥っていて、そのために国債残高が積み上がってしまっていることを確認しました。
では、実際の収支がどのようになっているのか、もう少し詳しく見てみたいと思います。
・・・というわけで、財務省ホームページで2015年度の国の一般会計決算を調べてみました。
財務省の決算概要は億円以下切り捨てで表示されているので、このグラフの端数は一致していません。
見ての通り、租税及び印紙収入が56.3兆円、その他の収入(税外収入+前年度剰余金-今年度剰余金)が7.0兆円しかないのに、経費は75.8兆円かかっているわけですから、12.5兆円の赤字ということになります。
この赤字をどうしているかというと、借金返済(国債費)よりも12.5兆円多く新たに借金(公債金収入)することによって埋め合わせているわけですね。
ということは、このままでは国債の残高が増えていきますし、国債の残高が増えるのが嫌なのであれば、国の一般会計の基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字化する必要があるということになります。
そのためには、税収に見合った身の丈の支出に抑えればよいわけですが、歳出のかなりの部分を占めているのは「社会保障関係費」です。
社会保障関係費を削減すれば、私たち国民の福祉水準も低下してしまうわけですから、歳出の削減というのはなかなか難しいことがわかると思います。
※注:2016年8月22日にAmebaブログにて投稿した記事を転載しています。