UNEMPLOYED ECONOMICS

失業中で暇な人が経済学を学んでいくブログです。

日本の公共事業関係費(1987~2016年度)

国民は政府に対して「景気対策しろ!」と要求し、政府は「国民が求めているから・・・」と言って公共事業をやるわけですが、実際のところ公共事業にはどのくらいの経済効果があるんでしょうか?

 

ここで知っておかなければならないのは、「乗数効果(multiplier effect)」という考え方です。

公共事業の乗数効果をごく簡単に説明すると、次のようになります。

 

政府が公共事業を行って、受注したA社に工事代金100万円を振り込む

→A社は社員Xに100万円の給料を支払う

→社員Xは40万円を貯金して、B社で60万円の買い物をする(限界消費性向0.6の場合)

→B社は社員Yに60万円の給料を支払う

→社員Yは24万円を貯金して、C社で36万円の買い物をする

→C社は社員Zに36万円の給料を支払う

→社員Zは・・・(以下、この繰り返し)

→社員たちの所得総額は100万+60万+36万+・・・と増えていき、合計250万円に膨れ上がる(乗数効果は2.5倍!)

 

これが、ケインズ経済学で有名なジョン・メイナード・ケインズJohn Maynard Keynes, 1883-1946)の乗数理論です。

以前、「日本のマネーストック(2006~2016年)」の記事で銀行の「信用創造機能」について書いた時にも、同じような説明が出てきましたよね(あちらの説明は、完全に間違いだと思っていますが・・・)。

 

・・・というわけで、財務省ホームページで過去30年間の公共事業関係費(国の一般会計)を調べてみました。

 

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出典:財務省財政統計(予算決算等データ)

 

・・・うーん、凄いですね~。

1993~2000年度は、毎年度10兆円を超える公共事業関係費予算が組まれていたんですね。

特に、バブル景気崩壊後の1993年度、アジア通貨危機の直撃を受けた1998年度には、約15兆円にまで膨らんでいます。

 

それで効果が上がれば良かったのですが、残念ながら1991年のバブル景気崩壊後、日本は「失われた10年」とも呼ばれる長期経済停滞を経験することとなりました。

「公共事業をすれば経済が良くなる!」などという主張があまり賛同を得られないのは、1990年代に思いっきり公共事業をやって、借金だけ増えて経済があまり良くならなかったという苦い経験をしているからなのですね。

 

※注:2016年8月16日にAmebaブログにて投稿した記事を転載しています。