UNEMPLOYED ECONOMICS

失業中で暇な人が経済学を学んでいくブログです。

日本銀行の金融政策(2010年代)

さらに日本銀行は、2010年10月に「包括的な金融緩和」政策を導入します。

これは、消費者物価指数(コアCPI)の前年比上昇率が1%程度になるまでゼロ金利政策を継続すること、「資産買入れ等の基金」を創設して国債社債など幅広く金融資産を買い入れていくこと、の2つが柱となっていました。

結局のところ日銀は、民主党政権下でも「量的金融緩和」政策の焼き直しのようなことを行っていたわけですね。

 

これまで見てきたとおり、長期間にわたってデフレが続くという異常事態に対して、日銀はそれなりに手を打ってきたことがわかります。

1990年代にはゼロ金利政策を導入、2000年代には量的金融緩和政策を導入するなど、過去に例のない金融政策を世界に先駆けて実施してきました。

それらの政策は、一定の効果は上げたものの、根本的なデフレ脱却や安定した経済成長にはつながりませんでした。

 

「リフレ派」の経済学者たちは、日銀の金融緩和が不十分だからデフレ脱却できないのだと言って、激しく日銀を批判しました。

このような主張は、日本の経済学界ではどうやら多数派ではなかったようですが、リフレ派は「学問的に」ではなく「政治的に」勝利することになります。

「大胆な金融緩和」を公約に掲げる自由民主党が、2012年12月の衆議院選挙で大勝して政権を奪還したのです。

 

白川方明(しらかわ・まさあき)日銀総裁は辞職を表明し、政府は黒田東彦(くろだ・はるひこ)アジア開発銀行総裁を日銀総裁に、リフレ派の経済学者である岩田規久男(いわた・きくお)学習院大学経済学部教授を日銀副総裁に送り込みます。

そして日銀は、2013年4月に「量的・質的金融緩和(quantitative-qualitative easing:QQE)」政策を導入することになるわけですね。

黒田総裁は、「物価安定の目標は、消費者物価指数(コアCPI)の前年比上昇率2%」「達成期間は2年」「そのためにマネタリーベースを2年間で2倍にする」と宣言しました。

 

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出典:日本銀行マネタリーベース」、総務省統計局「消費者物価指数(CPI)

 

マネタリーベースは3年間で3倍になりましたが、達成期間2年どころか3年たってもコアCPI2%上昇は達成できていません。*1

さらに、2016年1月には「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」政策の導入に踏み切りましたが、今のところあまり効果は上がっていないようです。

 

※注:2016年7月9日にAmebaブログにて投稿した記事を転載しています。

その後日銀は、2016年9月に「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」政策を導入しています。

*1:2014年4月にグラフが跳ね上がっているのは、消費税が5%→8%に増税されたことによるものです。